幻のモスクワ五輪代表の女子バレー・丸山由美さんが日本代表にエール「延期で引き出し増える」

引用元:スポーツ報知
幻のモスクワ五輪代表の女子バレー・丸山由美さんが日本代表にエール「延期で引き出し増える」

 東京五輪が1年延期となり、バレーボール女子日本代表の今季登録メンバー29人のうち11人は、本番では30歳超で迎える。1984年ロサンゼルス五輪銅メダリストの丸山(旧姓・江上)由美さん(62)は30歳までプレーした自らの経験を踏まえ「年齢だけで判断することはできない。自分が日本を代表するトップの12人だという意識を強く持つことが大事」と、メダルを目指す日本代表にエールを送った。

 波乱の競技人生を送った丸山さんからの力強い言葉だった。「年齢は個人個人違うので一概には言えない。ただ、私たちの頃と比べて、トレーニングの面や食事の面などが進んでいて、肉体的には長くやれる環境になっているのではないでしょうか」。36歳で五輪を迎える荒木絵里香(トヨタ車体)ら30歳以上の選手が代表に多く含まれそうな現状にも、前向きに話した。一方で「この夏まで踏ん張ろうと思っていた選手にとっては、さらに気持ちを入れ直すのは覚悟が必要なのでは」とメンタル面を重視した。

 丸山さんは1980年モスクワ五輪代表に選ばれながら日本がボイコット。84年のロサンゼルス五輪で銅メダル獲得後に現役引退し、86年に創設された小田急バレー部監督に就任したが、日本代表・山田重雄監督の要請で87年に現役復帰。88年ソウル五輪に30歳で出場した。当時の日本は30歳以上で五輪に出場する女子選手は少なかった。86年に結婚しており、ミセスでの出場も珍しかった。

 「小田急の選手たちには申し訳ない気持ちで毎日泣いていました。主人が『頑張れ』と言ってくれたり、後押ししてくれた人たちがいたので復帰できたけど、そういうのがなかったらできなかった」と振り返った。

 しかし、2年間のブランクは大きく、膝を痛めて手術するなど苦しい戦いが続いた。「体がきつかったですね。家に帰って食事を作ったりもしていましたし…。でも、本当に勝ちたい、メダルを取りたいという気持ちがあったからやり続けられた」。ソウル五輪ではセッターの現日本代表・中田久美監督との世界一の速攻コンビを武器に準決勝に進出したが、ペルーに惜敗。3位決定戦でも中国に敗れ、史上初のメダルなしに終わった。「ロサンゼルスでは(金メダルでなく)、すみませんでしたと謝ったけど、ソウルではその気力もなかった。私にとって五輪は頂点の大会。どんなにつらくても苦しくてもバレー100%でやってきました」

 女子の日本代表は12年ロンドン大会で銅メダルを獲得したものの、16年リオ大会では5位に終わった。それ以降、17年ワールドグランドチャンピオンズカップ5位、18年世界選手権6位、昨年のW杯5位と、メダルに手が届かない状況。「この何年も見ていて思うのは、なぜセンター(ミドルブロッカー)の選手がサーブレシーブしないのか。練習して、攻撃の枚数を増やすべきだと思う。1年延期されたことで、いろんなことを試せばいいし、考えることで引き出しも増える。そのことが戦術を充実させることにもなるはず。代表に選ばれるということは、日本のトップ12人に認められたという自覚を持って戦ってもらいたい」と期待を込めた。(久浦 真一)

 ◆丸山 由美(まるやま・ゆみ)1957年11月30日、東京都生まれ。62歳。東京・松蔭高から76年に日立入社。77年W杯で日本代表デビュー。センターとして活躍し、日立の黄金時代を築く。82年から日本代表主将。現在は日本協会理事。身長175センチ。

報知新聞社

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