2日間で「走・跳・投」の10種目をこなし、「キング・オブ・アスリート」として海外で絶大な尊敬を集める。そんな十種競技において、日本でキングとして君臨し続けているのが右代啓祐(国士舘クラブ)だ。
身長196cm、95kg。恵まれた体格を生かし、2011年に日本人初の8000点超えとなる8037点の日本記録を樹立。その後、さらに2回更新し、8308点(2014年)まで伸ばした。
さらに、2012年ロンドン五輪では、この種目で実に48年ぶりの日本代表としてオリンピック出場。4年後のリオ五輪でも代表となり、2大会出場は日本史上初だ。その時は旗手も務めている。世界選手権には通算5回出場し、14、18年にはアジア大会を連覇しているアジアが誇る「KING」だ。
あっという間に終わったロンドン五輪「十種競技の魅力は一言で表せられません。まず、1種目で終わらない。成功しても、失敗しても、次があるんです。選手、スタッフ、観客すべてが一体となって“十種競技”を作り上げていく、そんな雰囲気が好きなんです」
まるで、それは人生そのものにも当てはまりそうだ。右代は初めて立ったロンドン五輪での光景が忘れられないという。
「走高跳で2回失敗し、あとがなくなったんです(※3回失敗で試技終了)。その時、こんな世界的に無名の日本人選手なのに、たくさんの観客が僕の名前を呼んで応援してくれたんです。クリアすることができたら、ワーッと大歓声が起きたんです」
英国など欧州諸国、そして米国などで、十種競技の人気は高い。他種目、たとえばあのウサイン・ボルト(ジャマイカ)も、デカスリート(十種競技選手)への尊敬の言葉を述べていたこともある。だからこそ、本場の観客は、たとえ初めて見た「USHIRO」という選手に対しても声援を送る。十種競技がどれだけ“アスリート”であるかを理解しているからだ。
その夢の舞台は「あっという間に終わりました」と言う。これまで出場したどんな大会とも違う感覚。「オリンピックはたくさんの人が関わっている」というのを実感した。フィニッシュし、全員でスタンドに手を挙げ、一列になって感謝を伝える。これが混成競技の最後の儀式。それを目に焼き付け、こう思った。
「ここでメダルを取ったらどんな世界が待っているんだろう」
【陸上】十種競技“KING”右代啓祐が目指す「夢をかなえる場所」
バレーボールニュース引用元:月刊陸上競技

