たった1人のバレー部員、県大会で優勝 4校のまとめ役

たった1人のバレー部員、県大会で優勝 4校のまとめ役

 福島県相馬市立磯部中学校2年の佐藤瑛也(えいや)君(14)は、たった一人の男子バレーボール部員だ。放課後、一人黙々と汗を流す。そんな佐藤君が昨秋、県中学生バレーボール選手権で優勝した。

【写真】練習後に3年生と談笑する佐藤君(中央)=2019年12月10日、福島県相馬市磯部の磯部中学校

 平日午後4時、佐藤君の練習が始まる。体育館を使うのは男女のバレーボール部のみ。それぞれ別の面を使って練習し、佐藤君は一人で丸々、自由にコートを使える。

 まず一人でネットを張る。ランニング、体操、そしてボールを使った練習に入る。壁に向かってスパイクを放ち、壁に跳ね返ったボールをレシーブする。一人でトスを上げる。顧問や外部指導者が練習を手伝う時もあるが、基本は一人だ。練習のメニューも自分で考えている。

 昨夏の県中学校体育大会は市内の中村第一中学との合同チームで挑んだ。その後、3年生4人が引退し、1年生もいない。部員は佐藤君一人になった。バレーボールは6人で試合をする。そこで、部員が不足する周辺の四つの中学校の校長が話し合い、合同チームを結成することになった。

 磯部中学(1人)、南相馬市の石神中学(3人)と鹿島中学(1人)、新地町の尚英中学(4人)。佐藤君は主将になり、チームのまとめ役を託された。バレーボールは選手の連係が大事だ。本来なら毎日一緒に練習して呼吸を合わせるが、4校の9人が集まる合同練習は週1回に限られる。

 そんな状況で臨んだ昨年11月の県中学生選手権。チームは1回戦からストレート勝ちを続け、決勝でもいわき市の藤間中学を2―0で下した。アタッカーの佐藤君は170センチからの強烈なスパイクでチームを引っ張った。「優勝できるとは思っていなかった。いい雰囲気のチームになり、試合が進むにつれて、みんなの連係がよくなった」と笑顔を見せる。

朝日新聞社

タイトルとURLをコピーしました