ビーチバレー男子・西村晃一(46)=東京ヴェルディWINDS=が、東京五輪出場を目指して年明けから世界を転戦している。昨年の国内ツアーは年間総合ランク2位。5月23日から行われる日本代表決定戦(大阪)に向けて、ペアを組む20歳下の柴田大助(26)とともに実戦やトレーニングを積んでいる。実業家としての顔も持つベテランが、悲願のオリンピックを狙っている姿を追った。
日焼けし、つやのある肌は、とても46歳とは思えない輝きをしている。笑顔は優しいが、目は勝負師の顔をしている。西村は1998年にバレーボール全日本に選ばれ、02年にビーチバレーに転向した。五輪に出場した経験は、まだない。「日本一ではなく、世界で勝つこと」を胸に刻んで、灼熱の砂浜で汗を流している。
今年1月下旬。西村は南太平洋・クック諸島にいた。ワールドツアーに出場し、本戦のグループ戦を1勝1敗の2位通過。決勝トーナメントはオーストラリアのペアに敗れた。その後はニュージーランドやブラジルでキャンプ。ブラジルではトップ選手との合同練習やコーチの指導の下で、練習を積み重ねている。
昨年からペアを組む柴田は異色の経歴の持ち主だ。大学ではバレーボールを全くしていなかったが、卒業後にビーチバレーを始めた。西村は「スキルはまだまだだが、世界の強豪チームに勝てるポテンシャルはある」と感じ、20歳下の柴田を技術、メンタル、全てをこの一年で厳しく鍛えあげた。「スキルはすごい勢いで上がりましたが、まだまだいい時と悪い時の差が激しいので、大事な試合で力を発揮できるようにアベレージを上げていく!」と鍛えがいを感じている。
西村は体力、技術とも全く落ちる気配もなく、むしろ「進化している」とまで言われている。未だ進化する西村が、5月のオリンピック代表決定戦までにどこまで柴田を成長させられるかにかかっている。
46歳のベテランは、食生活も厳格なのかと思いきや、意外にも「朝、昼は食べない」ことが多いのだという。それでも「暑さには強い」と平然。食べるものについても「特に制限したりしてきたことはなかった。ただ食べた瞬間に『この食べ物は体に良くないな』とか直感的にわかるんです」と話す。アスリートとしてのカンなのかもしれない。
そんな西村の変わった食生活は、もう一つの顔・実業家としての活動に生かされた。グルメポップコーン専門店「ヒルバレー」を展開する日本ポップコーン(株)と業務委託契約を結び、アスリート視点を生かしながら新商品開発の助言を行っている。日本にいるときは、練習後に川崎市内にある同社の工場に足を運び、新しい味付けを試食して改善点を指摘したりしている。
こうして開発されたのは、西村が提案したプロテイン入りのポップコーンの「HillValley タンパクオトメポップコーン」(3月15日発売)。ターゲットは、美容にもこだわりのスイーツにも敏感な現代の女性たちだ。味付けにもこだわったという。今回は宮崎に拠点を置くネットショップ「タマチャンショップ」も巻き込み、ヒルバレーオンラインショップやタマチャンショップで発売するという。ポップコーンは自身も練習の合間や試合前後につまんでいる好物で、遠征先ではファンから「ご当地もの」を差し入れられることもある。「おやつを食べる感覚で、手軽に栄養を補給できるのがいい」と手軽さを実感。自身の経験と体作りを活かし「“ながら”で手軽に食べられる」点が、女性に受け入れられるかもしれない。
ただ、今年に入ってからはほとんどが海外での練習と実戦で日本を離れており、5月下旬の代表決定戦だけをみつめている。2月12日には自身のインスタグラムに「朝から夜まで練習で、時差も日本と12時間で昼夜反対なので、携帯を見ることもなく、ビーチバレーだけに集中出来る最高の環境でした。その分、日本の皆様にご迷惑おかけしてすいません。もうしばらくの間、ビーチバレーだけに専念させてください」とつづった。西村の悲願が成就したとき、まるでポップコーンのようにはじける姿が砂浜の上で見られるかもしれない。
◆西村晃一(にしむら・こういち)1973年6月30日、京都府出身。46歳。バレーボール選手として、花園高から立命館大を経て96年にNEC入り。98年に全日本入り。02年にビーチバレーに転向した。自身が作った日本初のプロチーム「WINDS」は、今年で20年目となる。
◆ビーチバレー日本代表チーム決定戦 5月23~24日に男子は大阪市北区「グランフロント大阪特設会場」、女子は東京・港区「JR高輪ゲートウェイ駅前特設会場」で行われる。出場チームは男女とも最大6チーム。参加できるのは大会30日前の4月23日時点でチーム(2選手)の「FIVB開催国枠ランキングポイント」の合計が上位6チーム。男子では2月24日時点で高橋・長谷川組が2060ポイントで1位。西村・柴田組は1140ポイントで3位タイにつけている。
◆代表選考の方法 日本は開催国枠で男女ともに1枠で、5月24日の日本代表決定戦で優勝のペアが内定する。さらに6月14日時点での五輪ランキングで上位15組が枠を得る(日本選手は2月24日時点で該当選手なし)。加えて6月のアジア大陸予選で優勝の男女各1組。
報知新聞社
ビーチバレー・西村晃一、ポップコーンともに初の五輪へ世界転戦…実業家の顔も持つ46歳に迫る
バレーボールニュース引用元:スポーツ報知

