女子バレー主将の荒木、母の支えを力に 東京五輪へ「最後までやり抜く」

引用元:産経新聞
女子バレー主将の荒木、母の支えを力に 東京五輪へ「最後までやり抜く」

 10日は「母の日」。自身も小学1年生の長女を育てながら、母のサポートを受けて競技を続けるバレーボール女子日本代表主将の荒木絵里香(トヨタ車体)が産経新聞などの電話取材に応じた。東京五輪の来年への延期という事態に直面し、引退も選択肢にあったことを告白した。それでも母の後押しを受けて続行を決意。「最後まで頑張り抜きたい」と、五輪のメダル獲得への強い意志を語った。(川峯千尋)

 3月下旬、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で東京五輪の延期が決定した。2008年北京大会以来4大会連続4度目の五輪出場を目指してきただけに「本当にショックでした。チームとしてはもちろん、個人的にも2020年の夏を集大成に考えていたので、衝撃は大きかった」と振り返る。

 代表最年長の35歳。日本不動のセンターであり続けるため、子育てをしながら人一倍の努力を自身に課してきた。現役引退の選択肢も「ゼロではなかった。夏で辞めようと考えていたから」。数日間は「頭の中がぐちゃぐちゃ」だった。

 気持ちを固めてくれたのは、母、和子さんの言葉だった。「覚悟を決めてここまで進んできたから、簡単に今ここで辞めたくない」。素直な気持ちをぶつけると、和子さんは「自分が思うようにやっていいんじゃない」と勇気づけてくれた。

 13年に元ラグビー日本代表の四宮洋平さんと結婚。14年1月に長女の和香ちゃんを出産。代表活動で家を留守にするときは、四宮さんとともに和子さんが一人娘の面倒を見てくれた。「もう1年、全日本の選手として五輪に挑戦するには、母と夫のサポートを得られない限りはできない。全力で支えてくれているのが分かるから、やり抜きたい」と腹をくくった。

 新型コロナの影響で代表合宿は中止になった。所属先も活動休止中で、現在は千葉県内の自宅で地道なトレーニングに取り組む。技術面や体力面の不安もあるが、普段はなかなか取れない和香さんと過ごす時間が増えたことはプラス材料。「これだけ娘と一緒に過ごせるのも新生児のとき以来。いまは次に頑張るためのエネルギーをためています」と母親の顔をのぞかせる。

 ここ数年、母の日には和子さん、和香ちゃんと旅行に行くのが定番だった。今年の旅行はお預けだが、母への感謝の気持ちに変わりはない。「母は一緒に戦っている同志みたいな存在。自分のキャリアも終盤にきているので『最後にもうひと頑張り、一緒にお願いします』と言いたいですね」。前回主将を務めた12年ロンドン五輪以来となるメダル獲得へ、頼れる日本の大黒柱にもう迷いはない。(川峯千尋)

 ■荒木絵里香(あらき・えりか)1984年8月3日生まれ、岡山県出身。東京・成徳学園高(現下北沢成徳高)で高校3冠を達成。186センチの長身を生かしたブロックを武器に、五輪には2008年北京、12年ロンドン、16年リオデジャネイロ大会と3大会連続で出場。ロンドン大会では主将として銅メダル獲得に貢献。14年1月に長女の和香ちゃんを出産し、同6月に現役復帰。今季から日本代表の主将を務める。

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