バレーボール男子の柳田将洋(まさひろ)=ユナイテッド・バレーズ=が10日、産経新聞の電話取材に応じた。ドイツで過ごしたプロ3季目は新型コロナウイルスの感染拡大のため、シーズン半ばで打ち切りとなったが、「自信につながった」と手応えを語った。東京五輪の1年延期については「切り替えはスムーズだった」と明かし、「いまこの時間にやったことが生きるときがくる」と、逆境の中での飛躍を誓った。(川峯千尋)
3月24日。テレビから流れてきた「五輪延期」のニュース速報を、柳田は冷静に受け止めた。「ある程度予想はできていたので、大きなショックという感じはなくて。思ったより、切り替えはスムーズだった」と振り返る。
その前には、今季を過ごしたドイツ・ブンデスリーガの日程がシーズン途中で打ち切られた。事態が深刻な欧州に身を置く中、「4年に一回、一生に一回の東京五輪というのもあって中止への不安はあったけど、それよりも命のほうが大事。1年の延期は選択される最善の選択肢だったと思う」と理解を示した。
もっとも、順調なシーズンを過ごしていただけに悔しさもある。2017年にプロに転向し3季目。今季は強豪ユナイテッド・バレーズで攻守にわたり存在感を放っていた。特に力を入れていたサーブレシーブでは、「任せてもらえるスペースが増え、自信につながった」。コートに立つ時間も次第に増え、チームは1月から8連勝。プレーオフ進出へ勢いに乗る中での打ち切りとなった。
「ドイツでいい感覚でやってきたものが落ちて、そこからやり直すのはだいぶ難しい」と苦しい思いもあるが、「なぜ勝てたのか、そのプロセスが自分のイメージとかなりマッチしていた。ケガで途中離脱した昨季と比べてもやれることはやれたと思う」と充実感もある。
3月17日に帰国。ホテルで2週間の自主隔離を経た後、4月2日に味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で行われていた代表合宿に合流した。合流直後は「想像以上にコンディションが落ちていた」という。走れば息が切れ、プレーに直結する足さばきやボールの扱いも思い通りにいかなかった。
励みになったのは、頼もしい仲間の姿だった。男子は昨秋のワールドカップ(W杯)で28年ぶりの4位に入り、各選手の意識やプレーの質が高まっている。「いいモチベーションになった。早く追いつきたい」と気持ちは高まった。
本気で2020年に懸け、逆算してピークを作ってきたからこそ、「この気持ちをもう一年保ち続けられるか」という不安も頭の片隅には残る。それでも、「どうしようもないこと。まずはこの状況を乗り切るためにみんなでルールを守って、それを乗り越えた先に自分なりに(新たな)五輪のイメージを見つけていきたい」と前を向く。
代表合宿は政府の緊急事態宣言を見据え、6日に解散となった。先行きは見えないが、辛い時間を過ごす子供たちやファンに思いを寄せ、「厳しい状況になると目の前のことにフォーカスしがちだけど、いまこの時間にやったことが生きるときがくる。今しかできないことに挑戦し、僕自身も頑張っていけたら」と言葉に力を込めた。
バレー男子・柳田将洋、五輪延期に理解 「今しかできない挑戦を」
バレーボールニュース引用元:産経新聞

